2017北海道サイクリング八日目

いよいよ東京に戻る日がやって来た。朝起きて見ると、風邪の症状はほぼ止まっていて、回復しつつあると言って良さそうだ。天気は快晴。やはりこれぐらいの時期からサイクリングすれば良かったか。帰りたくないなぁ。。

コース概観 (google map)

天気がすごく良いので、開陽台に寄ってから中標津空港に行くことにする。が、開陽台を経由しても空港まで50km程度しかなく、14:35 の飛行機なので10時ぐらいまで宿でのんびり。

出発にあたって、お昼がわりにオーナーさんの奥さんからおにぎりを一つ、もらった。これまで泊まったときはいつももらっている気がするが、これが本当にありがたく、嬉しいのだ。また、遠音別岳の見返りキツネ(残雪が振り返ったキツネのように見える)の写真ももらった。いつも9月に来ているけど、違う季節にも来てみたいなぁ。。

というわけでのんびり宿を出発して開陽台へ。途中、キツネかあるいはテンのような小動物が、道路の先を跳ねるようにとっとこ歩いて行くのに遭遇。しばらく歩くと止まり、近づくと逃げるという感じであまり近くで写真は取れなかったが、最後にキツネを見れて良かった。見返りキツネの写真が呼んでくれたのかな?

素晴らしい天気なのでビートルズを聴きながら気分良く快走。快調に飛ばして開陽台に繋がる北19号線に。アップダウンが一直線に連なる快走路で、開陽台に行くサイクリストやライダーを盛り上げてくれる。行き違うライダーさんも大半が右手を上げて挨拶してくれる。こちらも返す。最後にややきつめの坂を一番下から二つ目のギアで苦しく登っていると、後から来たサイクリストのグループに抜かれてしまった。そのあと、開陽台への入り口で折れて、このギアでは明らかに自分には登れない勾配の坂を登っている途中でなんとか一人をパス。そして開陽台に着いた。

こんな天気の良い開陽台は何年ぶりだろうか。標高を考えると素晴らしい見晴らしで、かつて北海道のライダーさんの聖地だったというのが分かるというもの。もう三年前になるが、北海道に再び自転車で来た理由の一つがこの開陽台だった。いまは自分にとってもっと大切にしたい居場所もあるけれど、三年前と同じ最終チェックポイントに来たのだなという気がして実に感慨深かった。風に吹かれながら、持たせてもらったおにぎりをパクパク。帰り、アップダウンの続く北19号を撮っているライダーさんを撮ってみた。

その後は中標津空港まで一気に下って余裕を持って空港に到着。輪行バッグに自転車を詰めてチェックインしたら飛行機が遅れていたのでしばしのんびり。

そして羽田から職場に戻って、学生との共著論文を仕上げたのち、9/6-18 まで学会出張x2(コペンハーゲン、オックスフォード)と怒涛の日々を過ごして 9/18 日本に帰国。あー疲れた。

後ろの日程に余裕が無いサイクリングは辛いので来年は余裕を持って来たいが。。

その後、家まで自走で戻ったところトータルの距離は 829.7km だった。単純に割って100km/日超え、飛行機の到着・出発時間を考えると実質、7日だと思うと120km/日というところで、風邪引いたり自転車が壊れたことを考えると、まあ頑張ったと言えるかな。

今日の進捗
2h43m20s / 54.37km / 19.9km/h
職場に戻るまでは 20km/h だったと思うけど、その後学会に行って戻ってきて適当に走らせて家に帰ってきてしまったため、平均が20km/h切ってしまった。

ちなみに、garmin edge 25 による記録では、
2h13m24s / 47.69km / 21.4km/h
となっている(いいわけ)。

2017北海道サイクリング七日目

朝起きたら喉は痛くなく、咳もあまり出ず、鼻も詰まっていなかった。熱っぽくもないので薬が効いて来たのかな。。そして天気は7日目にしてやっと晴れと言っていい天気。こんな日を待っていた。今日は知床峠越えがあるけど走る距離は105kmと短いのでのんびりやっていく。

コース概観 (google map)

9時頃宿を出発して、ウトロへ。少し向かい風だったが、天気が良いうえに道に継ぎ目がないので30km/h弱ぐらいで流してオシンコシンの滝、ついでウトロに着いたのは11時過ぎ。

セイコーマートで登坂前のエネルギー追加のため、(いまさら感あるけど)ソフトカツゲンセイコーウィダーインを買った。外で座り込んで飲んでいたときに店員さんに話しかけられたので、自転車のメーカーの話や知床サイクリングサポートの話を少しした。店員さんの自転車は SCHWINN だそうだ。

そしていよいよ登坂開始。150mほど登って知床自然センターへ。先日メーメーベーカリーで買ったパンを二つ食べ、知床八景のフレペの滝まで往復2kmほど散歩。戻ってさらにコケモモソフトでエネルギーを再追加していたら13時を過ぎていた。ちょっとのんびりし過ぎかな。

急ぎ出発してすぐ、何か巻き込んだような感じで進みが遅くなり、あれっと思って後ろを見ると、暑いかなと思って脱いでサドルバッグにしまった長袖のアンダーウェアがスプロケットに巻き込まれていたorz 巻き込まれたウェアを逆回転で取り出すと、小さい穴が空いてしまっていてがっくり。。

その後、少し勾配がきつくなったところで、一番軽いギアにしているはずなのにどうもギアが重いな、と後ろを確認すると一番軽いギアに入っていない。その後何度かシフトレバーで操作したが入らず。これは辛い。初日にリアディレイラーを取り付けた時に、再調整しなかったのがまずかったようだ。23のスプロケで走るにはきつい勾配だけど心を無にして登る。

それでも何度か休みながら知床峠に到着。去年は峠まで100mぐらいのところから雨が降っていたが、今年は晴れてて最高!しかし、後で調べたら羅臼岳をバックにとる撮影スポットがあったらしい。しまった。

景色を一望して十分満足したのち、14:30頃ダウンヒル開始。カーブのRがきついのと、風が強いので慎重に降りて熊の湯へ。知床峠へはウトロがと羅臼側から登る選択肢があるが、下りに温泉があるこっちのルートの方が良い。ダウンヒルの眺望も良いし、左車線なので海もよく見える。立ち寄った熊の湯では、常連さんとお話ししながら45-46度程度の熱い温泉で体を温めた。15時前に着いて、30分ぐらい。

その後はスイスイと降りて羅臼側へ。去年は道の駅でご飯食べたり、お土産物屋さんで試食でカニを全種類もらったりした記憶があるけど、今年は先を急ぐ。今日の宿のモシリバまで快調に飛ばしていたらややハンガーノック気味に。。やはり携帯食は常備していないとダメだ。とりあえず風邪対策で買っていたVicksで凌いでモシリバに17時過ぎに到着。いやー今日は最高のサイクリング日和で路面も良かった。このコースは峠らしい峠もあって、北海道でも殿堂入りレベルの快走路。自転車とはほとんどすれ違わなかったけど、走る価値あり。

宿のオーナー夫妻は、去年泊まったことをことを覚えてていてくれて嬉しみ。オーナーさんはいかにも好々爺という感じの方で、奥さんも柔和で人当たりが良い方で素晴らしい。着いたらいつもお茶を一杯とお菓子出してくれて、話しているだけで疲れがどんどん消えて行く。ましゅまろもそうだけど、この方々と再会するために北海道にきているようなものなので、本当に来れて良かった。夕飯は毎年食べてるちゃんちゃん焼き。

宿にはもう一人常連のライダーのお客さんが来ていた。その人はお兄さん家族と10年ぐらい前からずっと一緒に来ていたそうだけど、最近はお兄さん家族が来られなくなってしまったらそうでそれ以来一人で来られているそう。最後にお兄さん家族と来たときに6歳だった子供さんがどう成長したか尋ねるオーナー夫妻のために、LINEで子供とビデオ通話させてあげていて、とても心温まる光景だった。自分は、オーナーが今年に冬に海に来た流氷を切り出して取っておいた氷に、焼酎を注いで飲みながら、その光景をしばし眺めていた。来年も何とか来たいものだ。

今日の進捗
4h43m59s / 105.31km / 22.2km/h
今日は今回初めて本調子で走れて、平均時速も去年の知床峠越えより 0.5km/h ほど速い。こんな日がずっと続いてくれたらいつまでも走っていたいのだけどなぁ。。ここまでで770km越えで目標の800km越えは空港まで直行しても達成できそう。

2017北海道サイクリング六日目

朝起きたら鼻詰まりも咳も悪化してさらに熱っぽい。完全に風邪。スペイン人カップルの女性の方も昨晩38度の熱が出たそうで、朝食を食べに降りてこられなかった。喋ったけど症状が出るのが早過ぎるので僕のせいではないと思う。。

コース概観 (google map)

昨日、レーシングパンツの股の部分の縫い合わせが5cmぐらいほつれてきているのに気がついたので針と糸を借りてお裁縫。とりあえず直った?っぽい。

今日は距離短いのでのんびり9時過ぎに出発。コタン温泉に行くか迷ったが、体調を考慮してスキップ。代わりに、この辺では圧倒的泉質の川湯温泉 川湯公衆浴場へ。250円。安い。PH1.6の強酸性で、体の芯まで響く浴感。ただし、入り過ぎると皮膚が痛くなってくる。二つある浴槽のうち、一つは44度ぐらい、もう一つは38度ぐらいとかなり差があった。掛け流している湯の味を見た限り、熱い方は源泉でかなり酸っぱく、緩い方は水で薄めてある感じ。熱めの方を中心にのんびり浸かった。出るときに番頭さんがライダーさん?と聞くので自転車です、と答えたら、最近減ったのよね、とのこと。確かに、今回も自転車勢は行程トータルで10人も見ていないかも。。

10:40ぐらいに出て、200mほど登坂して野上峠に。標高324mと低く、きつ過ぎず、ゆる過ぎずの絶妙な勾配で、クライマーには物足りないと思うけど自分には登っていて楽しい峠だ。途中で、メーメーべーカリーに電話をかけてパンの取り置きとランチを予約。今日宿泊予定の風景画に着いたら荷物だけを置いて向かうのだ。

峠からぴゅーっと降っているときに実感したのだけど今日は台風が最接近するということで本当にひどい北風。下りでも漕がないと進まない。結構大変だったが温泉で十分体力を蓄えたので乗り切って宿に12:30頃到着。

宿に荷物を置いた後は、一路斜里のメーメーベーカリーへ。Google マップにまた走れないダート道を案内されながらも、天に続く道を駆け上がってメーメーベーカリーに到着したのは14:00。電話で伝えた予定ぴったりの時間。

中はゆるふわ系の雰囲気でしばし眺めていたかったが、お腹がすいて仕方がなかったのでランチを頂いた。スープ+パン食べ放題で、ハード系のパンは噛めば噛むほど旨味が出る感じ。あとから聞いた話で、ここの店員さんは風景画でヘルパーをされていた方らしかった。隣のテーブルの人はベーコンや目玉焼きが出ていてなんでだろうな、と思った。店員と顔見知りのようだったのでサービスなのかな。宿に帰るにあたって、寒いので、下にレインウェアを着用。最高気温15度で風強く吹かれたら体感10度で寒過ぎです。

天に続く道、こないだテレビで取り上げられた影響か、観光バスがわざわざ止まって観光客が降りて見物していたけど、個人的にはそこまでの価値は感じていない。。いつ来ても天気悪いからというのがあるかもだけど、今回はメーメーベーカリーにリベンジ訪問するのが主目的だったので無駄に登らされてげんなり感。

まだチェックインまで少し時間があったので、しれとこ里味でつぶのかき揚げ丼を食べるか、斜里温泉元湯館であったまっていこうと思って斜里市内に向かったのだけど、ちょうどしれとこ里味が中休み中であることに気がついて、代わりにセイコーマートでフルーツ系のものを摂取して、ドラッグストアでルルを買った。

そこからは追い風の中、快適に飛ばして風景画に帰還。こちらは新しいだけあって宿のクオリティがかなり高い感じ。。夕食後に温泉にも送迎してくれるとのことで今日は温泉三昧だ。しかし、あまりに寒いので、冬用のベッドに交換+ストーブが導入された。9月なかばと比べると、昔知床のモシリバで最低気温氷点下とかあったので下が寒いのはいいのだけど上が寒いのは辛い。。時期だけ見て長袖の下着一枚しか持参しなかったのは失敗。。

温泉への送迎の道すがら、車内でオーナーさんと何故か深層学習の話題になった。研究絡みの話になり、地方だと車がないと生活できないので高齢者も車に乗るが、逆走など日常茶飯事で非常に危ないので早く自動運転が実現されて欲しいとのことだった。また、中国の観光客が送ってくる予約メールが、機械翻訳されたもので意味が取れないことが多いから機械翻訳ももっと良くして欲しいとのこと。研究者だと若いときは論文をいい学会に多く出すことに執心しがちだが、自分はもう論文をたくさん出す必要はないので、これからは自分の研究がどういう形で社会に影響を与えていくかを意識して、信念を持って仕事をしていきたいと思った。

今日の進捗
4h24m28s / 88.36km / 20.0km/h
初日以来の100km以下だけどそこそこ走っている。お休みdayと言いたいところだけど、寒さと風と風邪のためそれほどでも。。

2017北海道サイクリング五日目

えとぴりか村、オーナーさんの就寝時間が21:00で同室の人もそのタイミングで就寝したため、今回の旅で初めてぐっすり眠ることに成功。ベッドふかふかで寝心地もよく、カーテンもしっかり閉まって5時前の朝日対策も万全。

コース概観 (google map)

起きたら鼻が詰まっていて咳が出るのでこれはどうも風邪の症状だ。。熱は無さそうなので、走って体を温めて回復すれば良いか。しかし、いつもよりくる時期が早いと思って長袖の薄着一枚しか持ってこなかったのは失敗。。ダラムサラーで掛け布団が夏仕様で薄かった割に朝冷え込んだのがまずかったのだろうな。お風呂もすごいぬるかったのに沸かし直さず入って寒い思いをしたし。。

今日は台風の影響というわけでもないと思うけど、オーナーさんの話では北東の風7mということで、摩周湖近辺へのルートはかなりの向い風になりそうだったので、ご飯を食べてすぐに出発。今日の宿の美留和のましゅまろまで直行すると99kmのようだけど、去年食べて最高に美味しかったミルクレームのソフトクリームと、去年は台風で流されていた養老牛温泉のからまつの湯が復活したということなので立ち寄ることにした。

寄り道してもあまり距離はないかなと思って、霧多布岬の展望台によって出発。今日は昼を食べるポイントがないため、こまめに食料をとることとし、セイコーマートセイコーウィダーインゼリーを腹に入れた。

そにあと、ミルクレームまでの道のり、とても辛かった。最初は強烈な向かい風とアップダウンが、そして次は農道の5-10mおきの凹凸。。お尻を乗せるサドルが板なので、ダメージが蓄積するのと、凹凸通過時にお尻を浮かせる必要があるため、漕ぎ続けことができなかった。道東だけに、牧場がたくさん。野鹿の群れもいたけど、写真を取ろうとしたところで逃げてしまい。

途中でカロリーメイトを買って食べたけど、エネルギー不足気味の状態となり、咳も出続けるしでへろへろになって75kmミルクレームに到着したのは午後1時過ぎ。予想より1時間も遅く、それもそのはずで平均速度は19km/hぐらいしかでていなかった。

ミルクレームの店内は例によって人がおらず、すぐ戻りますとの言付けが置いてあったので、店員さんが来るまでのちょっと暑いしな、と服を脱ぎ始めていたら、去年いたお兄さんではなく、若い女性の店員さんが帰ってきて気まずい状態に。。。ソフトクリームは昨年度通りの美味しさで、非常に満足。

そこからはダッシュで養老牛温泉からまつの湯へ。先客1名で、後客2名。湯船はすっかり回復していて湯も適温で最高だった。長居したかったが、宿まで40kmほどあるので3時前に退散。降りる途中、北根室ランチウェイで撃たれないように注意的な看板が。

この後は前半の遅れを取り戻すべく快調にかっ飛ばしていたのだけど、弟子屈に入るあたりでハンガーノック気味になりやばい状態に。。弟子屈ラーメンにもう少しで吸い込まれそうだったけど、16:30で夕飯が食べられなくなるので我慢して摩周湖のアイスに。しかし、ジェラートのダブル一つでは回復せず、お代わりしてしまう。身体が冷え切ったのでセイコーマートでミルクココアを飲んで、さらにダッシュで宿に着いたのは17:00過ぎ。125kmほど走っていてかなり遠回りしてしまった。

今日のましゅまろさんはスペイン人のお客さんが入っているということで通訳することに。9時からのトークタイムは自分一人しか降りてこなかったので、オーナーさん夫妻といつも通りのさし話。マダニ・ヒグマ怖い話や北海道の登山、さらには夏のボイラー故障事件や北根室ランチウェイの話など。お二人とも関西人なので話し上手、聞き上手で癒される。北根室ランチウェイ、ほんと歩きたいので誰か一緒に歩いてくれる人いないものか。一人だとヒグマ怖い。。

これまで途中輪行区間があるにもかかわらず既に581.7km走っていて、初日あまり走っていないことを考えると少しオーバーペースかなという気もする。明日は斜里の風景画までで、42kmしかないのでお休み走。雨降るかと思っていたけど降らないみたいなので、温泉はしごしたり、体調が戻っていれば、去年逃したメーメーベーカリーやしれとこ里味まで足を伸ばそうかな。

今日の進捗
6h12m14s / 125.35km / 20.2km/h
正直、よくこんな平均速度回復したな、という印象。

2017北海道サイクリング四日目

北海道の朝は早い。4時過ぎには明るくなるので早く寝ないと十分寝る前に目が覚めてしまう。加えて、今日は朝7時の電車なのに昨日輪行の準備をし忘れたため、朝早く起きなければというプレッシャーがかかり、起きたのは4時過ぎ。というか、ここ数日、仕事の対応をしたりすることもあり、ほとんど寝ていない気がする。。明日からは来ても目を通しても無視しよう。

コース概観 (google map)

輪行の準備をするときに自転車のクランクを改めて見たら残った2本のチェーンリングボルトは裏の台座が残っていた。これだと、並びではなくひとつ離して止めれば、昨日の残距離6kmぐらいは走れていたかも、、と思った。が、そうしていたら今日も釧路まで自走しようか迷っていたかもしれないので、リタイヤして良かったのだと思う。9/3は台風が来てまともに走れる天気にはならない気がするし。。一年目に峠越えは体力的に無理、と考えて美瑛ー帯広間で電車を使って後で後悔してから自走にこだわり続けて来たけど、そろそろ解放されるときなのかもしれない。

しかし、電車の本数が少ない。まあ、これでもある方だと思うけれど。

乗ったら案の定、誰も乗っていない。。厚内駅は無人駅なので車内精算。整理券を取った。

ドアを全開にして外の景色を見ていたら、今日通るはずだった海沿いの道道1038号線が見えて切ない。空、きれい(棒)。

無くしたチェーンリングボルトを取り扱っている店が開くまで時間があったので、釧路駅の一つ手前の新富士駅で降りて3年前に尋ねた鮭番屋に行くことにしたのだけど、5000円ではお釣りがないという。それで、5000円を払って過払いとして精算書なるものをもらった。最寄りの有人駅で払い戻してくださいとのこと。

自転車を丁寧に組み立てて、2本残ったボルトをしっかり締めて、恐る恐る出発。駅からは2kmなので10分ほどで到着。ボルトを調べたら緩んではいなかった。鮭番屋ではイクラ丼と、焼き物で少し迷ってホタテを購入。サンマは今年は沖で取っていて鮮度が落ちてるので刺身は出していないとのこと。残念。

その後、まだ時間があったので、朝からラーメンを出しているまるひらに行った。途中、坂の手前に英国でよく見たラウンドアバウトがあり懐かしかった。これって珍しいのでは。。。



ようやく10時を過ぎたのでまずは釧路駅に行って払い戻し。その後、サイクルガレージパズまで行って、suginoのアルミのチェーンリングボルトを入手。2470円。お高い。。ボルトの色が赤だったので、なんだか手負いのような感じになった。組み付けるためのグリスもくださったパズさんに感謝。これでまた走り出せる。

そこからは黙々とR44号線。交通量はあるが、トラックはさほどでもない。最初100mぐらいの高さまで登坂する必要があり、そのあたりで小雨ぱらついて辛かったが、野生の鹿と出くわすなど北海道らしい光景もあり、また走り始めたばかりで睡眠不足だったが体力は十分だったので問題なく走り抜けた。これ、自走で釧路まで来ていたら辛かったに違いない。もうのんびり行くことに決めていたので、ペダリングも圧低め。

黙々と45km走って、厚岸に着いたのは14:00過ぎ。あまりお腹は空いていなかったが、この後が大変なのでかき飯をかけこんだ。厚岸駅のかき飯、昔北海道を鉄道で回ったときからずっとそこに行って食べたいと思っていたが、こんな形で食べることになるとは思わなかった。

そこからはえとぴりか村まで景勝ルートのはずだったのだけど、アップダウンの繰り返しでげんなり。。うへーと思ったところで浜中に入るあたりで一気に視界がひらけて大展望!すれ違うライダーさんたちもテンション上がっていたのかみな手を上げて挨拶してくれる。こちらも応える。心がつながる良い瞬間。

そこからもアップダウンがひたすら続いたが、琵琶瀬展望台からは下り。その展望台からの、霧多布湿原の風景が、今回では一番、これまででもトップクラスに素晴らしいものだった。霧多布湿原雄大な眺めと、そこに溶け込む家屋の群れ。心に残る情景だ。

最終的には霧多布岬まで行き、夕暮れを楽しんで宿に着いたのは18:00。トータルでは107kmほど走っており、前日の距離や寝不足なことを考えると、まあこれぐらいの距離でよかったなと改めて思った。厚内から自走していたら、160kmぐらいあるし、きっと厚岸あたりで途方にくれていたことだろう。。。

心配をよそに台風がルートを外しつつあるようなので、あしたはなんとか雨が降る前に、宿に辿り着こう。。

本日の進捗
5h18m56s / 107.08km / 20.1km/h
最初新富士駅から10kmほどは釧路駅周辺を不安定な自転車でノロノロ走っていたのでこんなものかな。厚内ー釧路間はガンガン飛ばせた記憶あるけど、車と併走という感じなので避けられて良かった。R44ももう走りたくないなぁ。。

2017北海道サイクリング三日目

この日は最後に過去のサイクリング史上最悪のトラブルに巻き込まれてしまった。そこまでの顛末を。

コース外観 (google map)

今日は峠二つ超えて160km走るので、朝8時に出発してまずは樹海峠に。かなり手前に三の山峠なる看板があったが、そこからも登りは続く。。一番高いところで標高473mだった。そこからダウンヒル

獲得した標高を失っていくのは、一夜漬けでテスト受けた後に翌日覚えたことを全部忘れちゃうと同じような喪失感がある。同じ所は成績(達成した標高)は記録として残るというところで、違いは忘れてくのが気持ちいい(ダウンヒル)というところ。まあ仕方ない。

その後、Googleマップが38号にぶつかる交差点を回避するショートカットコースを提示して来たので、今度は無視して交差点を経由したら、鉄道員の舞台になった幌舞駅というか幾寅駅があった。中に鉄道員のロケ時のギャラリーがあったのでしばし観覧。けんさん二人が映ったスクリーンショットもあり。この駅を含む富良野から新得の間は、去年の台風で普通になって、まだ復旧しておらず、代行バスの案内が掲示されていた。

そごもうしばらく走って2年前に通ったトマムからのルートと合流。この時点で標高すでに414m。なので、狩勝峠の644mまでは余裕の標高差だ。547mぐらいまで登って、あと100mというところで少し勾配がきつくなった。まあ通ったことあるので分かっているけど、峠はすぐ近く。

狩勝峠到着は10:17でなかなか良いペース。ここから下り基調で、楽な行程になるはずだった。そうはならなかったが。。

びゅーんと下って、昼を食べるつもりでいたじんぎすかん北海道に直行するつもりだったが、十勝清水で目分料という蕎麦屋が近いことに気づいて立ち寄り。11:40着。もりそばを注文。かえしが少し弱いのが気になったが、そば湯は最後濃厚で好みの味だった。

そこから、東方面に走ったら、とにかく強い東の風で、力の大半を風に抗うのに持っていかれている感じ。そしてこれが最後まで続く。。なんとかじんぎすかん北海道まで辿り着いたのは13:30。なぜ昼をジンギスカンにしたかというと、本当はじんぎすかんの白樺と想いやりファームに行きたかったのだけど180km越えだったので断念したから。ランチサービスで、マトン270円、ラム330円と激安だったので希少部位というキングマトン・ラムを頼むのをやめてそれらとご飯を注文。そしてこのラムがめちゃめちゃ美味しかった。これまで食べたラムの中で至高。。

そして。そのあと逆風に抗ってR38を走り抜け、宿まで6kmばかりのところで事件は起きた。。突然チェーンがチェーンリングから外れてギアアップしても戻らない状態に。なんで?と思って自転車を止めてクランク周りを見たら、、、チェーンリングを固定するボルト5本のうち3本が欠落して固定できない状態になっていた。

最初に思ったのはあー今度は終わったな、と。もう進めないな、と。次に思ったのは坂下ってる途中とか、宿まで遠いところでなくて良かったなと。

これまでの自転車トラブルで完全に自走不可能になったには初めてだったが、これも運命かなと受け入れて今日泊まる厚内の宿の待ちぼうけに電話したら、オーナーのゲタさんが親切にも車で迎えに来てくれることに。不幸中の幸いというか、天の助けだった。待っている間、ボルトが落ちてないか探しに行ったが、直前に通ったトンネルのところまで行って諦めた。

厚内にはロードバイクの部品を扱う店はないので、どこか大きめの都市まで行って自転車屋でなくなったチェーンリングボルトを入手せねばならない。ゲタさんが厚内駅の時刻表を見せてくれたが7:13の次は11:49という辛いスケジュール。釧路の自転車屋さんに何軒か電話をかけて、10:00からやっているところでチェーンリングボルトの在庫があるということだったので、7:13の電車で行って(8:31に着くので)和商市場辺りで朝ごはん食べて時間を潰すことにするかな。

まあ、厚内ー釧路間、R38で交通量多くて道路脇に溝彫ってあって景色そんなに良くなくていつも走っていて自走にこだわらないならスキップしたいなこの道と思っていたので良いかな。待ちぼうけが駅まで徒歩3分もところにあったのも不幸中の幸い。

気を取り直してお風呂に入って、漁師飯。ここは、漁港が近くてゲタさんの料理もトークも上手くて、最高の宿なのだ。本日はサンマの刺身となめろうだけ釧路からのもので、あとは鮭づくしのメニュー。そして9時からは酒づくし。気を取り直してやっていこう。

今日に進捗
6h51m27s / 154.95km / 22.6km/h
今日は風に負けた。最後まで自走できなかったのは無念

2017北海道サイクリング二日目

2日目は富良野から狩勝峠方面にあるダラムサラーまで。峠越えが2つあるが、123kmで距離が短いので、のんびり行くことに。緊急のメール案件が来て1時まで起きていたのでやや寝不足で体力が回復していない。。

コース概観 (google map)

このルートの問題点は、とにかく食べるところがないところで、いつもはダラムサラーが予約できず、150-160km走らなけられば宿がなかったため、70kmほど走ったところにある日高峠に登る直前のセイコーマートでご飯を買っていた。今回は事前に予約していたので、もっと手前で食べることとし、平取の和牛が食べられる、じゃんけんぽんに良い時間に着くよう調整することに。

まず、出発を9時ぐらいまで送らせて、さらに二風谷のアイヌ文化博物館でのんびり見学した。中の展示はアイヌの生活から切り取った素朴なもので、好みだったが一番記憶に残ったのはこの展示。

これでキャッチ&リリースとはウィットが効いている。時間的順序関係ではなく単なる並列関係で&を使うとは。。お土産物屋さんにはゴールデンカムイの色紙が。。

そこからじゃんけんぽんに行くと、ちょうど11:30。ここまで45kmほど。メニューから、かなり迷ってハンバーグとステーキ両方食べられるセットを選択。これが最高に美味しかった。ハンバーグのジューシーさも良かったけど、赤身の和牛のさっぱりとした旨味の凝縮されたステーキが至高。やはり運動してから食べると2倍3倍ご飯が美味しく感じる。

その後から、少し登り基調になって、いつものセイコーマートにたどり着くまでに280m登り、そこから短時間で220m登って日高峠、330mぐらいまで降りて、占冠の道の駅でまったりとした後、二つ目の峠越え。謎だったのが、峠付近が最高標高ではなく、その後もトンネルまで80m近く登らされたこと。なんか納得いかない。途中、道路に謎のマークがあったのだけどこれなんだろう。

ここで、本当に申し訳なかったのだけど、峠からの降りを50km/hぐらいで降りている途中で、若い女性二人が道端に車を止めて手を振っていて、最初挨拶してくれてるのかなと思ったら、どうも止まってほしかったような表情で、その時にはときすでに遅しで減速できず、話を聞いてあげられなかった。エンストだったりガス欠だったりやんごとないトラブルが起きていたのかもしれない。自転車の自分には何もできなかったかもしれないけど、それでも何かできることがあると判断したからだろうし、申し訳なかった。圏外の場所だったので、下に降りて助けを呼んで欲しかったのかもしれず。。もう少し余裕を持って走らなければいけないなと感じた。

そんなこんなで、ダラムサラーに着いたのは17:30。Googleマップを信じて走ったら、砂利道に突入したり登る必要のない丘を登らされたりで散々だった。でも、丘の方は美瑛っぽくて雄大で心打たれる感じだったのでまあいいか。。

宿には、同じく自転車で自分と逆のルートで中標津空港から千歳空港に向かう途中のご夫婦がいて、色々情報交換したりするなどした。色々旅行されているご夫婦で、自転車の他にも全国の街道を2000km以上歩かれたりされていて、羨ましいなぁと思った。6:30から8:30まで話していたかな。

ダラムサラー、インド音楽のライブを期待して来たけど、今夏は終わってしまったのか開催されず。。9月で宿を閉めると聞いたので、結局聴けずじまいだった。残念。人が少なかったからか、夜のトークタイムはなし。明日は狩勝峠を越えて150km以上走る必要があり、ややハードなので早く休めるのは良かったけど、少し淋しい気持ちも。

今日の進捗
5h40m32s / 123.26km / 21.7km/h
寝不足なのを考えると、峠越えでこれぐらい出てればまあ、明日も大丈夫かな。