Etymotic Research ER-4P (+4S化プラグ)

引越しに伴い約1時間20分の電車通勤になったので,色々迷って,結局 Etymotic Research ER-4P を買った.実はもともと ebay で ER-4S の中古品として落札したのだけど,出品者の勘違いでインピーダンス違い同定価の ER-4P だったので,少し交渉して 4P->4S の抵抗プラグの代金として $20 を返金してもらい,抵抗プラグを別途入手した.というわけで,IEM 単体は $91.5 ぐらいで,日本で新品で買う場合の半額弱.ほとんど抵抗プラグをつけた状態でしか聞いてないけど,4P としても使えると考えればお得だったのかな.
年明けから二週間ほど使ったので audio-technica ATH-CK9 と比較しつつ,(4Sとしての) 使用感を書いてみる.

  • 音質は,CK9 よりフラット寄りの印象 (ドライバは同じシングルBA).音場はやや狭めで,CK9 にあった高音の艶は無いが,その分聴き疲れしにくく飽きがこない,いつまでも聴いていたい音.CK9 では意識しなかった音に気づくこともあったりと,分解能は極めて良好で,ボーカルの奥で鳴っている楽器の音まで明確に聴こえてくる.音色がニュートラルで全体のバランスが良い感じ.
  • 音漏れは全く気を使わなくて良く、遮音性の高さは圧倒的で電車でもどこでも関係なく音楽に没頭できる.電車の案内など周囲の雑音は,通常の音量で鳴らしても全く聞こえないため,注意が必要.
  • 装着感は S サイズのトリプルフランジで良好で,安定感も非常に良い。SHURE 掛けできないのが残念で,コードの取り回しをうまくやらないと,タッチノイズがやや目立つ感じ.耳の奥までねじ込んだ時の装着感が一番不安だったが,ほとんど気にならず.
  • コードの質感はマット仕上げの CK9 の方が良い.コードの長さがかなり長い (実測で分岐まで1.18m, トータル1.53m).分岐までは柔軟性にかけるので絡まりにくいが,やはり長過ぎるので amadana 銘の BOSS のおまけのコードリールを使っている.抵抗プラグに巻いてもいいかもしれない.左右に分岐する辺りから,線がとても細くなっており,断線しないか心配.ワンショルダーバックと干渉するのでコードの取り回しには特に気を使う.
  • デザインは個性的だが,人からどう見られるかなど気にする性格ではないのであまり気にはならない。CK9 に比べると,左右の見分けが容易(右側はステムにがペイントされている).以前はステムの色自体が左/右でで青/赤と違ったようで,どうせならそっちを落札すればよかったかもしれない.
  • 付属ケースは卵型の CK9 に比べて剛性感もなくペシャペシャ,Made in China の白タグが付いていてかなり安っぽい.コードリールはついてないので自分でコードを畳んで収納しなければいけない.
  • その他付属品が多い.イヤーチップがトリプルフランジの大小,グラインダー,フォームの4種類がある.中古なので,クリップのみ付属していなかった(けど,自分の使い方からすれば必要なさそう).フィルタの換えも二ペア付いていて(未使用),定期的に交換をしていけば長く使えそうだ.

全体として,CK9 より満足度は高い.コードの取り回しがやや面倒だが,遮音性の高さのおかげで,通勤のストレスが半減されているように感じる(外界から意識を切り離してくれるので).IEM にとって以下に遮音性が重要かということが分かった.今後は手持ちのアンプと一緒に鳴らして楽しんでいきたい.

[追記] コードリールがやや邪魔になったので使うのをやめて,三つ編みにした.コードのネジリ耐性が高く,両端の処理がやや面倒だったので15分ぐらいかかったが,分岐までを1.18m->0.42m に短縮できたので,全体で 0.77m ぐらいになった.調整の幅は減ったが,絡まりにくくなり,分岐までの部分の引っ張り耐性も上がった気がするのでしばらくこれで使ってみよう.