学会を振り返る

まず Raleigh について.この街はスーパーもレストランも見所も殆どなく,これまで自分が参加した学会の開催都市の中で最も魅力のなかった Silicon Valley よりさらに輪をかけて魅力のない街だった.気候は快適で誘惑がない分,学会に集中できたのは良かった.それでも空き時間に博物館を二つ見るぐらいは出来た.North Carolina Museum of Natural Science には恐竜の化石もあって,まあ良かったかなと思う.
学会のホスピタリティや施設,アメニティなどはかなり充実していて,何より周りにレストランが無いだけに,ワークショップ+本会議の計4日のうち,ワークショップと本会議の最終日の夕飯を除いて全て食事が提供されたのは助かった(朝食は宿泊したホテルにも付いていたが,学会の朝食の方が充実していた).特に昼は,Google/Yahoo/MS のスポンサーで毎日違う国の料理がビュッフェスタイルで提供されていて,ない店に食べに行くよりよほど良かっただろう.その分,参加者のチェックは相当厳しく,あっちこっちで学会の参加証をチェックする人が立っていた.その他では,スタバと Oyster Bar ぐらいしか行かなかったけど,Oyster Bar に行って,アメリカの学会での唯一の楽しみはローカルビールだな〜と思った.学会で配布されたバッグはロゴが入ってなくてデザインもよく,ロゴ入りボトルも付いていた.プロシーディングは,512MB のロゴ入り USB に入っていた.極めつけは学会ロゴの入ったTシャツまで全員配布だった点.参加費が10万円超えるだけのことはあるなと.
発表の方は,人が集まるアプリ系の話にはその場限りの面白さしかないことが多いので,言語データが関与する研究で,かつ技術寄りの発表を中心に聴いたのだけど,どちらかというと洗練された技術を提案するというよりは,Web データのサイズにスケールするシンプルな手法の発表が多かった.そういう意味で,新しい重要なタスクを提案したり,他に無いデータを使って結果をしっかり分析したり,基礎技術の研究ならスケーラビリティのあるシンプルな手法に昇華させたりするのがポイントなのかな.Google/Yahoo/MS は研究者の発表も多かったけど,インターン系の発表もかなり目についていて,他にないスケール・タイプのデータを持っているというのはこの学会ではやはり大きいアドバンテージだなと感じた.ただ,個人的にはデータサイズが小さくてもキラリと光るところがある大学の研究者の発表の方が面白かったかも.
来年はインド.例によってハイデラバードなので,インドにしては面白くないと思うけど,今年より面白い場所であることは 100% 間違いなさそう.