久しぶりに大学に泊まった

今年度初の学会査読の仕事が回ってきた(bid をしたのは一月前).震災の影響(謎)で,査読期間が通知から10日ほどしかなく,あっという間に締切直前になってしまったため,やむを得ず大学に泊まった.今回の査読は,残念ながら,希望上位の論文は来なかったが,どの論文も自分で実装した経験があるアルゴリズムに関する論文だったので,計算量に関する数式/証明がわんさか出てきても,読むのは比較的楽だった.学会の倍率を考えると,回ってきた論文全てに肯定的な評価ができたのは,かなり運が良かったと言えそうだ*1.しかし,これから本格的な査読シーズンが始まるというのに,依然,第一著者で論文を出せていないというのは残念だなあ.
学生の頃は,研究室の住環境が良かったこともあって,泊まっていない日の方が少ないぐらいだったが,社会人になってから(特に結婚してからは)泊まることはほとんどなくなった(けど,仕事は今のほうがしている気がする).やはり,研究室(職場)はあまり快適過ぎない方が良い.特に,横になれるソファーあるいはベッドが無い,あるいは質が悪いほうが仕事が進む気がする.学生最後の頃は,研究室の環境に緊張感が無かったことを遠因として,研究も人間関係も緊張感が欠けた悪い状態だったような気がする(本質的に悪いのは自分であることは言うまでもないが).
今日は自分が使える粗末なソファーベッドに既に先客がいたので,仕方なく朝まで起きていたのだけど(査読は午前2時ぐらいに終了),節電で暖房がオフになっていて,室内でも身体が震えるほど寒いのが堪えた(今日は運悪くハクキンカイロを持ってきていなかった).計画停電が始まって(停電しなくても)節電せざるを得ない状況なのだけど,研究室で何が辛いって暖房をつけられないのが一番辛い.計算機環境の方は,当初の節電ムードから,徐々に節電目標を設定した省電力ムードに変化しつつあるので,計算機を用いた実験もできるようになりそうだけど*2,こっちの方は見込みなしなので,早く暖房がいらないほどに,(ついでに,電力消費が減って,東京方面の通勤の足で唯一終日運休している湘南新宿ラインが一部運行する余裕が出る程度に)暖かくなってほしいなあ.(さまざまな希望を込めて)春よ来い.
今週は,実験できないということもあり,来たるべき大規模実験に備えて,学習器のコードを調整していた(昨日公開).これで機能的には,ほとんど不満はなくなったので,(暖房の需要が減ってその分を計算機の電力に回せるようになれば)満足のいく実験ができるはず.

*1:ちなみに今回は,専門分野外の論文を査読する - ny23の日記で述べた気分で,タイトルの文字数で論文リスト中の論文をソートして,上から順番に見て指定 bid 数選んだところで bid を打ち切った.

*2:一週間振りに研究室に来てみた - ny23の日記 で各機関が連携して節電しないと,と書いていたが,http://www.asahi.com/business/update/0328/TKY201103280521.html とのことで,産業の種類のよってはとっくにそういう動きはあるようだ.(東電管内の)大学もこういう取り組みを進めた方が良さそうな感じ.節電もそうだけど,休日とかも,互いに連携する必要がある業種単位で輪番休日にしたら(負荷分散できて)良いのに,と思ったりもする.