専門分野の最高峰の国際会議に共著論文が通った

自分が手法の半分を担当した共著論文(卒業した修士学生が第一著者の論文)が 1st-tier の国際会議に通ったようだ.いや〜めでたい.みんなで頑張ったかいがあったというもの.その前に投稿した別の 1st-tier の国際会議では,手応えある査読結果ながら 4/3/3 でダメだったが,今回はそれが 4/4/3 となって採録された.尖った研究*1だったので,なるべく人目に触れて欲しいと願っていたけれど,自分の専門分野でも最高峰の会議に通ってくれるとは,これ以上無い宣伝になるなぁ.
前回投稿時に査読者に指摘された点については共著者間で徹底的に議論して,時間のある範囲で埋めれる穴はすべて埋めて投稿したものの,3月末の author response で見た査読結果には一件,交通事故みたいな内容の査読*2が含まれていてやや危ない感じだったので,望外に嬉しい.結局その査読者の Recommendation は(研究内容は大きく誤解したままで)4 だった*3.全体として前回投稿時に比べるとかなり簡素な査読結果だったが,逆に言うと突っ込みどころがあまりなかったということなのかな.いずれにせよ,良かった良かった.
今回採録された研究では新しいタスクを提案して解いていて既存の評価用データが存在しなかったので,評価用データをどうデザインするかが最大の問題だった(前回投稿時はその辺りの議論が不足していて落とされた).この手の論文は(去年通った論文もそうだけど)すべからく時間をかけて議論を積み重ねる必要があっていつも骨が折れるのだけど,その過程はクリエイティブでやりがいもあるので病みつきになる.データを作ってくれた学生のみなさまに感謝(この評価用データは後日公開する予定).大学で企業並の規模のデータが利用できる稀有な研究環境にも感謝.実質的に約一年間の研究で最高峰の国際学会に論文を通す学生すごい.
余談ながら,この研究では実験に自分が公開している分類器も使っていて,最高峰の国際会議に通る研究に自分のソフトウェアが貢献できたというのは (self-citation ながら) 嬉しかった.今回の研究で自分が実装を手伝った部分については,できればツールとして公開したい*4

*1:修士で卒業してしまうなら,思い切りの良いハジけた研究やって出ようぜ,と振ったネタ.

*2:論文の内容を大きく誤解して,その誤解からもともと問題とならない箇所を指摘している.

*3:査読結果から 3.5/2.5/4 ぐらいかなと思っていたら大外れ.1人目が3というのも予想外.

*4:公開しましょうと呼びかけておいて,自分がしないというのはない.