デモは一般の人の目線で考える@オープンラボ一日目

オープンラボ一日目で久しぶりに朝8時台の湘南新宿ラインに乗ろうとしたら,東海道線の人身事故で全面運休していた.たまに早く乗ろうとするといつも止まっている気がしなくもないけど,単に普段乗らないから気にならないだけで,朝はいつもこんな感じなのだろう.代わりに乗った上野行きの高崎線はそれなりに空いていたが,その後,赤羽で乗り換えた後の埼京線の混み方は酷かった(これなら+1時間かかっても自転車で40km走る方がいいぞ).その後,BERG@新宿で朝食.
今日は平日ということで,一般のお客さんはやや少なめ.自分もあまりテンションが上がらなかったので,新しいデモを見せて,反応を伺いながら改善点を探る.デモの UI などは,自分の頭だけで考えてもうまい答えにはなかなか辿り着けるものではなく,やはり一般の人の前で実演してみないと良いものにはならない.そういう意味で(一期一会なのに)申し訳ないないなぁと感じつつも,一日目は荒削りな状態のデモを披露することになる.勝負は明日.
昼休みに少し研究室外の様子を見て回ったら,一般のお客さんを多く集めている研究室は tangible な「もの」を見せているところが多かった.さらに言うと,そういうわかりやすいデモを行う研究室は,(外など)より人目につきやすい場所で展示している.視覚や聴覚など,考えなくても五感に訴えるようなデモは強い.自分のデモも,じっと見てもらえればほとんどの場合ハッとしてもらえるのだけど,遠くからチラ見して目を引くデモにはなっていない.オープンラボで本気のデモを作っているのは他の研究室も一緒なので,単純に面白そうなところに人が流れているというところだろうか.
こういう(見た目に面白いデモ,なかなか作れないよねという)話を自分の分野の人たちとしていると,そもそもデモ向きの研究分野でないから仕方がないとか,基礎研究だから即,役に立たなくても良いとか,まだまだデモできる段階に研究が到達していないとか,そういう言い訳話になることが多い.そして,それに内心同意してしまう自分に対して,とても残念な気持ちになる.言い訳してそこで手を止めてしまったら思考停止でおしまい.安西先生の声が聞こえてくる.
自分の研究の意味を,どれだけ引いて(一般の人の立場で)考えられるか.自分にとってオープンラボのデモは,苦しくもそういうこと*1を考える場になっている.どうせやるなら,全力で.申し訳程度にやるならお客さんに失礼だし,やらないほうがマシ.片手間で準備したデモには(どうせこの研究の意義なんて分かってもらえないだろうけど,という)諦めの気持ち見え隠れする.自分のやっている研究が誰にも理解されないのは,研究の内容が専門的(ニッチで対象とする聴衆がそもそも少ない)からではなく,単に人に伝える努力を真剣にしていないだけである.自戒を込めて.

*1:デモを作るときに一番重要なのは,一般の人の目線に立った典型的なシナリオ(利用例).