ARC'TERYX Quiver Backpack 11L

Arc'teryx(アークテリクス)の Quiver(クイバー)の Black を入手した。Arc'teryx はカナダのアウトドアブランド。キッチリとした製品を作るが、日本での値段はかなり高め。実は色違いでシトラス色を持っていて、一年ぐらい使ったのだけど、自転車との色のコーディネートの関係で黒色か、ペリカン色が欲しかった。11L しか入らないのだが、全力で走ったり、自転車に乗るときにはこれぐらいの分量が快適に運動できる限界ではないかと思う。元々自転車での街乗り用に、Deuter Cross Bike 20Lを買ったのだけど、ドイツ製らしく、デザインがややいまいちだったのと、容量が普段使うには大き過ぎたため、すぐ売却。代わって手に入れたのが、この Quiver だ。
一見ワンショルダーのキワ物デイパックだが、これが運動するには最高にいい。海外の学会出張に行くときもこのバッグ(だけ)で行くぐらい気に入って使っている。何がいいかというと、あらゆる意味でデイパックを意識することなく行動できること、これにつきる。
普段通勤に背負う際に、普通のデイパックだと、両手を肩ベルトに通してヨイショっと背負うため、まずそこで背中にある荷物を意識してしまう。背負うときのアクションもダブルアクションでスムーズでない。また、40L以上の しっかりした固定ベルトの付いたのザックを背負った人なら誰もが感じていることだと思うが、小容量のデイパックは大概固定方式が容量に対してダメ過ぎる。胸の固定ベルトも腰の固定ベルトもヒモに近い状態で、真っ直ぐに進む自転車はともかく、走ったり、スキーしたりと激しい運動をした日にはその重量も相まって両側に揺れて運動しにくいことこの上ない。その点、このワンショルダーバックは、手提げカバンを持つような容量でエイヤっと肩を通すだけで装着でき、メインの肩ベルトが太く、胸の中心にかけてしっかりフィットする。固定ベルトは単にこの肩ベルトが左右にずれない程度のもので、全体として体に対する密着感は通常のデイパックと比較できないぐらい心地良い。走っても左右に揺れず、スピードが減衰することがない。この密着感はやみつきになる。良いザックに荷物を詰めたときと同じように、歩く際にもほとんど荷物を背負っていることを意識することがない。これは単に容量が小さいからという理由だけではなく、やはり、容量と固定方式のバランスの良さの成せる技だと思う。ちなみに、以前使っていたデイパックは OSPREY のシンクロ15 だった。激しいスポーツには向かないものの、登山ザックメーカーらしく、容量と固定方式のバランスは良く、少なくともデザインを除けばバックパッキングの用途としては大きな不満はなかったが、それでもこのワンショルダーとは快適性の差を感じる。やはり、肩ベルトの固定ベルトが2本あり、ワンショルダーバッグの固定方式に比べてアクションの回数が2倍かかるというのは大きい。止水ジッパーがあるのも良い。結論として Quiver は、値段は少々高いが、機能的にもデザイン的にも他に類似品の無いオリジナリティの高いデイパックだと思う。
ちなみに、前のシトラス色の Quiver は韓国製だったが、黒色の Quiver はベトナム製。年式の違いかもしれないけど、パッと見の違いは、Arc'teryx の刺繍の裏の仕上げで、韓国製の方がうまく仕上げてあるような感じだった。