某社から誠実なお誘い

9月末に某社の技術者の方から自分の専門分野の Software Engineer のお誘いが来た.同じメールでの勧誘といっても,8月の某社とは全く印象が違う.自分の得意技が何かを知った上で誘われるのは光栄なことだと思う.8月の某社のような人事担当に丸投げの勧誘では,よほどタイミングが良くない限り,日本では博士を持った人は採用できないのではないかなぁ(そういうので就職しても,幸せに働ける感じが全くしない.自分でなくても他に代わりはいるということだろうから.他の人にもできることなら,他の人にやらせれば良い.研究者ならそう考える).リクルートのやり方で,どういう人が集まるかも想像がつく.いい加減なリクルートをする会社にはいい加減な社員が集まる(最近自分の専門分野の研究所を立ち上げた某社は,研究所のトップの人が直に面談して回っているという話を聞いた.多分良い研究所になるだろう).
今回のお誘いは職場がアメリカ西海岸なので,個人的にあまり住むことにメリットを感じない首都圏を離れられるのは良いものの(場所を除けば)今の職がとても気に入っているのと,ここ数年で首都圏を離れられない理由ができてしまったのとで,現時点では YES とは言えない.かといって,適当に返事するわけにもいかず,なかば放置していしまっている.誠実な勧誘のメールには,誠実な断りの返事をしなければいけない.今の職に移る3年前なら就職を考えていたかも知れないけど,多分そのときの自己アピールでは誘われることは無かったのではないかと思う.つくづく,こういうのはタイミングだなと思う次第.
自分の専門分野では,研究をするのに必ずしも大学である必然性はないのだけど,年をとるにつれ,段々と企業で働くのに及び腰になるような気がする(年を取れば取るほど,企業では研究がしにくくなるという印象.企業の中堅研究者がアカデミックポストに就く例もよく見るし.まあ,大学でもある意味そうなのだけど).そういう意味で,学生のときに企業でインターンを経験しておくのは(将来的な選択肢を増やすという意味で)大事かもしれない.自分は博士のとき,英国の大学で一年弱研究していたのだけど,そういうのもあって,外国で研究をするというのには全く抵抗がない(企業にインターンに行った人は,結果的に大学に就職したとしても将来的に企業に出るのに抵抗を持たないのではないか).
[追記] どうせ返事を送るなら,これ以上遅くすべきではないと思ったので,断りのメールを送った.断りの連絡なんて,送っても送らなくても受け取った側に取っては実務上大して意味はないかも知れないが,無視はできないと思った.今回はタイミングが合わなかったな.