某全国大会@大岡山二日目

全国大会と書いてパン屋のことだけ書いてたのでエントリを分けて追記.
某全国大会の方は,表彰式でほとんどの受賞者が背広を着ていたのに驚いた.自分の卒業した理学系の分野では,学会で背広を着るという発想自体があまりないのだけど*1,工学系の人はこういう場では着ないと気持ち悪いのだろうか(日本では企業の人は基本的に学会でも背広を着るので,企業研究者の割合が一定以上になると「背広を着るのが常識」という雰囲気になるのかもしれず).背広を着なくても済むところわざわざ好んで着る(あるいは着ざるを得ないと感じる)気持ちはよく分からないな.
今日聴いた発表の中では,「感情極性に基づく文書の俯瞰分析への取り組み」が楽しかった.自分の分野では「視覚的にアピールするデモが作れない」と言う人が多いのだけど,それは(膨大なデータの中から)何を取り出して見せるべきか,という点にあまり頭を使っていないだけではないか(言い換えると,技術の出口を意識していない)と最近感じている(可視化の人たちは,見せる価値のあるデータをどう表現するか,という点に頭を使っている).出たのは学生セッションだけだったけど(さらに発表をドタキャンする学生続出だったけど),昨日より面白かったな.
個人的にいちばん話したかった人とは話せたので,一緒飲んでくれる人のいない懇親会はスキップして帰宅.旭酒造の獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分をちびちび.雑味がほとんどなく,少し辛め,すっきりとしていながら米の旨みはしっかりとして,とても美味しい.やはり冬は日本酒だ.焼鳥でも食べながら,立山を日向燗で飲みたいな.
[追記] 今日知り合いの研究者と話していて印象的だったのは,新しく提案されたアルゴリズムをいち早く実装して公開する early adopter の中には,パフォーマンスチューニングに無頓着な人が少なからずいる,ということについて同意が得られたこと*2.時間計算量だけ減っても,実装をサボると数倍(場合によっては十倍以上の)の速度差が出ることは良くあるので,利用する側もちゃんと比較・検討して利用しないと,知らないで損をしている場合もあったり.最適化をどの程度行ってから公開するかは個々の実装者に強く依存するので,アルゴリズムの効果を知りたいという場合を除き,ソフトウェア(というか,実装者)の吟味は慎重にした方が良さそうだ.この研究者(の実装)は地雷というところまで同意が得られてしまったのは,複雑な気分だった.これを反面教師に,自分も改善すべきは改善するよう努力していきたい.

*1:工学系出身の教授はいつも背広を着ていたが,理学系出身の教員の間では「あの人は工学系出身だから」と例外扱いされていた.

*2:early adopter の実装がいまいちだと「XXX(アルゴリズムあるいはデータ構造名が入る)って使えないな」となってしまうので,アルゴリズム開発者としては(実装が公開できない事情がある場合は)複雑な気分だと思う.