鍛金工房 West Side 33 の雪平鍋

双葉商店の銀杏のまな板に続いて,今回は雪平鍋を買い換えた.雪平鍋と言えば,量産品での定番は中尾アルミ(あとアカオアルミとか.アルミ専門メーカーの打ち出しものなら間違いない)で,2000円ぐらいと比較的手軽に手に入る.恐らくこれでも実用的には十分なのだと思うけど,和の調理器具ということで,量産品ではなくて,職人の技が感じられる逸品が欲しくなった.職人の手作りの雪平鍋は京都の老舗,有次のものが一番と言われていて(ちなみに,有次は鋼の包丁でも非常に有名),特にカラス口の注ぎやすさには定評がある.しかし残念なことに,通販では買えない上,10000円程度とかなり高い.うぅむ,京都に住んでいれば良かった.
といっても諦めるのはまだ早く,さらに色々調べると,実際に有次の鍛金鍋を作っている(いた?)職人(寺地茂さん)が京都の三十三間堂の近くに鍛金工房 WEST SIDE 33というお店を出しているようだ.こちらは幾つかのお店で通販で買える.値段も,有次銘のものよりは手頃な値段で手に入るようだ.先週湯治に行った那須で尋ねたSYOZO ROOMSで,偶然見かけた「遠くの町と手としごと」に,寺地茂さんが自分の仕事を語っている節があり(いい加減に,手を抜いて作るとか),いよいよ購買欲が高まったので,幾つか比べて一番安かった京都生活の通販で,WEST SIDE 33の行平鍋 (16.5cm) を購入した (送料込みで約6000円).注文して一週間ほどたって今日届いたのだけど,職人の銘(茂作)がちゃんと入っている(自分の名前も彫ってもらった).規則的ではない鍛造の槌目の打ち出しに,量産品には無い温もりが感じられ,まさに逸品.大事に使っていきたいな.職人さんから直接買えればなお良かったのだけど.
しかし,日本で古くから使われている良品を探していると関西のものがよく見つかる.奈良の吉岡商店の蚊帳ふきんとか.関西の人は羨ましい.関西に20年近く住んでいたのに,その頃は全然知らなかった.もったいない限り.ちなみに双葉商店の銀杏のまな板はとても使い勝手が良いので,新しくまな板を買う人にはおすすめ(近くの催事場に出品している時を狙うと,通販では買えない小さいサイズのまな板も手に入ります).
このところ,図書館で借りてきたエッセイストの平松さんの「一生ものの台所道具」を見ながら次の買い物を考えている(というか,幾つかは買った).調理道具を吟味するのは本当に楽しい.大手の寡占状態にある似たり寄ったりの大型白物家電を選ぶのとは大違い.中小企業の創意工夫がそこには溢れている.購入者の側も何を買うか最適化のしがいがあるというもの.