情報系の国際会議の採択率
ちょっとした理由*1で某国際会議のポスターセッションの採択率を調べた過程で,副産物として情報系の国際会議の採択率を各分野の研究者がまとめたサイトがいくつか見つかったので,メモしておく.
- Artificial Intelligence: Conference Acceptance Ratio Statistics – Adaptive Toolbox
- Linguistics: ACL Member Portal | The Association for Computational Linguistics Member Portal
- Software Engineering: Software Engineering Conferences (Statistics)
- Networking: Networking Conferences Statistics (http://ppadala.net/conferences/ も参照)
- Security: Security Conference Ranking and Statistic
- Graphics: Virtual Reality Laboratory
- Visualization: http://eagereyes.org/blog/2010/conference-acceptance-rates
- Cryptography: Acceptance rates for IACR conferences and workshops
- FPGA: http://www.cs.utsa.edu/~ytai/upconf/accept_rate.html
こうしてみると,採択率を気にしている研究者というのは多いのだなぁ,と感じる.採択率の低さが国際会議の良さを示す,という研究者も多いが,個人的には採択率の低さ(度合い)自体にはあまり意味はないと考えている.
実際のところ,研究者人口が急速に拡大して会議の数が足りていない分野で,箸にも棒にもかからない論文が大量に投稿されて採択率が低くなっている会議もあれば,採択率が低くなり過ぎないように,ポスター発表を口頭発表の論文と(予稿集で)区別せず採録する会議もあるし,その他,論文投稿のスケジュールや,二重投稿の可否など,採択率が上がる/下がる要因は色々とある.そういうわけなので,採択率が50%以下ならまともな会議で,25%以下なら良い会議と考えるぐらいの認識で良いかと思う.
も合わせてみると大体そんな感じかと.
私立中学を受験した人は,合格率(受験倍率の逆数)のことを思い出すと,合格率が高い(出願した人ほとんどが通る)のは問題だけど,合格率が低い(受験倍率が高い)こと自体はさほど価値はない,というのがよく分かるかもしれない.
一部の国際会議で採択率が低くなり過ぎている件に関しては様々な議論があって,最近話題になったのだと,ICDE 2010 の Jeffrey F. Naughton による Keynote
は一読の価値がある.この Keynote では採択率に関する議論よりも,むしろ査読システム改善に関する議論 (p. 46-63) に重きが置かれており,査読者の立場としてとても興味深く読んだ.
ところで,タイトルと全然関係ないが,先週末,台湾の学生から自分の論文に関して質問にメールが来たのだけど,その回答に対する返事に Soga~ とあった.きっと中国語の翻字なのだろうなと思いつつも ALC で調べたら,ソガ族とか書いてあって吹いた(そして google translate で翻訳したら蘇我と翻訳された).そーかそーか.
[追記]しましまさんから,査読関連の議論についてコメント頂きました.
- natural language processing blog: How to reduce reviewing overhead?
- What's wrong with STOC/FOCS? [2009]
- Reviewing Peer Review | July 2011 | Communications of the ACM
取り急ぎこちらにも追加.